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収益性マップで見る人間ドックメニューの最適化

  • 執筆者の写真: Afya Management and Innovation
    Afya Management and Innovation
  • 2025年12月22日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年12月31日

― 提供価値と収益性を両立させる、メニュー戦略の考え方 ―



人間ドックメニューをコストと収入、利用者数で可視化した収益性マップのイメージ


医療機関の経営において、「どんな人間ドックメニューを、いくつ提供するか」は、収益構造を大きく左右する重要な要素です。ただ、実際には自施設が提供しているメニューの“収益性の全体像”を正確に把握できていないケースも少なくないようです。


そこで、今回は、提供メニューを客観的に見直し、

価値を損なうことなく収益性を高めるための「収益性マップ(Profitability Map)」

という考え方をご紹介します。




提供メニューのラインナップを把握する



医療施設様からの経営相談を受ける中で、私たちがしばしば目にするのが、

「収益性が極めて低いメニューが、長年そのまま残っている」 という状況です。


  • 歴史的に残っている

  • 以前はニーズがあった

  • 「一応あった方がいい(つまり、「選択肢が多いのは良い」)」と思っている



こうした理由で残されたメニューが、実は 経営全体の足を引っ張っている こともあります。まずは、「どのメニューが、どれくらいの価値と収益を生んでいるのか」を、

冷静に可視化するところから始めるのをお勧めします。




メニューを「コスト × 収入」の2軸でプロットする



収益性を把握するためにおすすめしたいのが、各メニューを以下の2軸で整理する方法です。


  • 横軸:コスト(人件費・材料費・設備稼働など)

  • 縦軸:収入(売上・単価)



この2軸で、提供しているすべてのメニューをプロットすると、収益性マトリックス が完成します。もし上記の数値を用意するのが難しい場合は、


  • 横軸:合計機器専有時間 もしくは 全検査時間の合計

  • 縦軸:単価


でプロットしてみてください。これだけでも、全体の収益性を把握する助けとなります。




収益性マトリックスが教えてくれること



このマトリックスを作成すると、次のようなメニューの位置づけが一目で分かるようになります。(*括弧書きの中に、マトリックス内での位置関係を示しますが、軸の向きによって位置が必ずしも同じにはならない点にはご注意ください)


  • 高収入・低コスト:戦略的に伸ばすべき中核メニュー(第四象限:左上)

  • 高収入・高コスト:改善余地のある重要メニュー(第一象限:右上)

  • 低収入・低コスト:役割を再定義すべきメニュー(第三象限:左下)

  • 低収入・高コスト:最も注意すべきメニュー(第二象限:右下)



多くの医療機関で驚かれるのが、「思っていた以上に、収益性の低いメニューが存在していた」という点です。




価値提供と収益確保は、対立しない



ここで大切なのは、「収益性が低い=すぐに排除すべきメニュー」というわけではない という視点です。収益性が低いメニューについては、次の問いを投げかけてみてください。


  • 余分なサービスは含まれていないか?本当に顧客価値がある要素だけで構成されているか?

  • 不必要にコストをかけすぎていないか?

  • プロセス改善や構成変更で収益性を上げられないか?



医療機関が長く価値を提供し続けるためには、


  • ご利用者様にとっての価値

  • 医療機関としての持続可能性


この両立が不可欠です。価値を長く提供できる仕組みづくりを進めることが大切だと私たちは考えています。




バブルサイズを「利用者数」に変えてみる



次のステップとして、マトリックス上の点の大きさ(バブルサイズ)を、利用者数に応じて変えてみてください。すると、非常に重要な現実が見えてきます。


  • 収益性の低いメニューに、利用者が集中していないか?

  • 収益性の高いメニューは、十分に選ばれているか?



もし、「収益性が低いメニューに利用者が多い」という構造が見えた場合、そこには 戦略的に見直す余地 が大きく存在します。このまま収益性が低い中で、収益性をそのままに利用者数を多く獲得して持続していくのか、収益性を向上させて持続力を獲得するのか、について決断する必要があります。


特に、「安い」という価値提供は、「差別化」という面で舵取りが難しいため、競合のリスクを大きく伴います。利用者推移データや、近隣の競合施設のメニュー情報をもとに、慎重に判断をする必要があると考えます。




現状を知ることで、進むべき方向が明確になる



この可視化によって、次のような経営判断が一気に現実味を帯びてきます。


  • 高収益メニューの利用率をどう高めるか

  • 低収益メニューを改善するか、役割を変えるか

  • メニュー構成そのものをどう再設計するか


つまり、より具体的に「どの方向にシフトすべきか」 の議論が可能となります。




Excelで簡単にできる、収益性マップの作り方



この分析は、特別なツールがなくても実行可能です。


  1. 各メニューについてを以下の項目を一覧に整理

    • コスト

    • 収入

    • 利用者数


  2. Excelの 「バブルチャート」 を使って可視化


これだけで、メニュー構成を俯瞰する資料 が完成します。


※ 操作方法が分からない場合や、より精緻な分析を行いたい場合は、お気軽にお問い合わせください。




おわりに



収益性マップは、感覚や思い込みを排し、メニューを客観的に評価するために有用です。ご利用者様に価値を提供し続けるためにも、まずは「現状を正しく知ること」から始めてみるのをお勧めします。

皆様にとって、本コラムが少しでもお役に立ちましたら幸いです。




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